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投稿日 : 2025年1月31日 最終更新日時 : 2025年01月27日

【コラム】M&Aの動向(2024年1~12月期)と今後の展望

2024年の日本企業のM&A活動は、件数・金額の両面で高水準を示しています。今後もその傾向が続くことが予想されます。企業の成長と競争力強化を目指したM&A戦略は、ますます注目を集めるでしょう。

 

1.活発なM&A

国内M&A統計によれば、2024年の日本企業のM&A件数は4,700件に達し、前年比17%の増加を記録しました。この数値は過去最多の水準で国内M&A市場の活発さを反映しています。

さらに取引金額ベースでも高水準を維持し、19兆6,964億円に達しました。これは前年と比較して8%の増加を示しており、取引金額ベースでも日本企業のM&A活動がますます活発化していることがわかります。

内訳を見ると、4,700件のうち「IN-IN」(国内案件)が3,702件、「IN-OUT」(日本企業による海外企業の買収)が665件、「OUT-IN」(海外企業による日本企業の買収)が333件となっています。これらの全てのカテゴリーで前年を上回る結果となり、国内外を問わず、日本企業が積極的にM&Aを進めていることが確認できます。

特に国内案件の増加が顕著であり、企業間の統合や再編、事業承継を通じて経営効率の向上や新市場の開拓を目指す動きが強まっています。これは日本経済の活性化や市場競争力の向上に寄与すると考えられます。また、海外企業とのM&A件数も増加していることから、日本企業がグローバルな視点で成長戦略を描いていることが示されています。国際市場への進出や技術・ノウハウの獲得を目指したM&Aが、今後も引き続き企業の重要な戦略の一つとなるでしょう。

 

2.2024年の大型案件

2024年の大型案件は以下の通りです。

 

 

・日本生命保険:レゾリューションライフの完全子会社化

日本生命保険は米系生保のレゾリューションライフを買収すると発表。人口減少で国内保険事業の環境が厳しい中、世界最大規模かつ今後も安定的な成長が見込まれる米国保険市場において事業を拡大・長期案手的な海外事業収益を狙うものです。

 

・ルネサスエレクトロニクス:アルティウムの買収

ルネサスエレクトロニクスは電子機器設計大手のアルティウムを買収すると発表。アルティウムはプリント回路基板設計用のソフトウエアプラットフォームの提供で高い市場シェアを有する企業です。買収により、設計開発プラットフォーム事業と従来の半導体のハードウエア事業をルネサスの2本柱とすることを狙うものです。

 

・積水ハウス:M.D.C Holdingsの買収

積水ハウスは、米国大手住宅会社M.D.C Holdings(米国の戸建て供給戸数ランキング11位)を買収すると発表。国内の戸建て市場が人口減少に伴い縮小傾向にあることを見据え、米国事業を強化するものです。今回の買収により米国南東部へのエリア拡大及び米国でのプレゼンスが向上します。本件買収後は積水ハウスとの合計で米国5位に躍り出ることになります。

 

3.まとめ

2024年の日本企業のM&A活動は、件数・金額の両面で高水準を示しています。今後もその傾向が続くことが予想されます。企業の成長と競争力強化を目指したM&A戦略は、ますます注目を集めるでしょう。今後も日本企業が国内外で積極的なM&Aによって更なる成長を目指すと期待されます。

 

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